昨今、飽食の時代を象徴するかのように、生活習慣病対策が注目されるようになりました。生活慣病とは糖尿病、脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症などで、日々のストレスや食生活、運動不足などの生活習慣が発症原因に深く関与している疾患の総称です。これらの疾患に肥満が加わるとメタボリックシンドロームと呼ばれるようになり、動脈硬化を促進させ脳卒中や心筋梗塞の危険性が高くなります。死因のトップであるガンも、生活習慣病との関わりが強いという報告さえあります。
ところが厄介なことに、この生活習慣病は進行するまで余り症状を伴いません。つまり、脳卒中や心筋梗塞を発症するまで、体が発するサインに気づかないこともあるのです。これが“沈黙の殺人者”と呼ばれているゆえんです。「沈黙の殺人者から多くの人たちを救いたい」そんな使命感で、当クリニックでは生活習慣病対策に力をいれています。
糖尿病や高血圧症、脂質異常症を治療せずにそのままにしておくと、動脈の内側が狭まったり、膜が硬くなったりします。そのため、血液の流れが悪くなったり、柔軟性を失い破れやすくなったりします。この状態を動脈硬化と呼びます。脳の血管の動脈硬化が進行して、血流をストップさせてしまえば脳梗塞になりますし、心臓ならば心筋梗塞になってしまいます。人工透析を受けている方の多くは糖尿病からの腎動脈硬化を起因とする腎不全が原因です。更に、糖尿病による動脈硬化は網膜はく離や眼底出血などの網膜症を多々発生させます。 このように、動脈硬化は様々な重篤な疾患と深く関わっています。 日本人の死亡原因の約3割を脳梗塞や心疾患が占めているという現実が、それを物語っています。 動脈硬化は一端進行すると元には戻りにくい病気です。早めに治療を開始するとともに食事制限や運動などを積極的に行い、少しでも動脈硬化を進行させないことが重要です。